「資料・情報企画統括」 東洋文庫拠点 土田哲夫

 現代中国研究を進めるにあたって、関係する資料、情報の収集とその活用が必須であるのは言うまでもありません。しかし、中国という対象それ自体の巨大さ、複雑さ、そしてダイナミックな発展ぶりを反映して、現代中国に関わる資料・情報はきわめて膨大で多岐にわたります。資料形態でいえば、印刷・刊行された文献資料のほかに、近年はデジタル資料データベースが急速かつ大規模に発展し、このほか地下出版や香港・台湾・海外出版の文献、オーラル・ヒストリー、民間資料、檔案(文書)資料など、さまざまな形態の資料や情報が利用可能になっています。とりわけ近年の中国における資料のデジタル化、データベースの整備は驚くべき規模と速度で進展しており、古典文献から近現代の新聞・雑誌、図書、博士論文、統計、法令など膨大かつ多種多様な文献がデジタル化されて提供されています。他方、こうした資料は内容的には精粗さまざまであり、一部の分野では良質の資料・情報の不足に悩むという状況もみられます。

このように、現代中国関係資料はあまりに膨大かつ多様で変化が激しいため、研究者にとっても必要な資料・情報を獲得するのには相当の費用と経験と努力が必要となっています。また、日本の大学・研究機関では予算的制約や情報不足等のため、中国関係資料を体系的に収集し、適切な利用体制を整えるということはまだ実現できていません。

このような問題に対処するためには、各大学・研究機関及び研究者が相互に協力して資料情報を共有し、また共同での資料収集、資料活用等を進めていくことが不可欠です。

人間文化研究機構現代中国地域研究事業では、東洋文庫現代中国研究資料室をその資料・情報センターと位置づけ、さらに各研究拠点及び内外諸研究機関が連携して学術資料ネットワークを築きあげることによって、現代中国地域研究のいっそうの発展を促すべく、種々の取り組みを進めています。